少年サッカー(#59 wise)




wiseはこう見えて少年時代にサッカーをやっていたんだ。
小学3年から中学3年までの6年間さ。

ちなみに太っていた期間も小学3年から中学3年までの6年間なんだ。

すごく不思議だよね?


おそらくエネルギー消費量を遥かに超えたカロリーを摂取していたのだろう。
大好物はツナマヨネーズだった。

あれは最高な食い物さ


あまり上手なプレイヤーでは無かった。とりあえず始めてしまったから、やっていたくらいのノリだった。

最初はドッヂボールが上手いという小学生的発想でキーパーを押し付けられた。
確かにドッヂボールで投げるパワーもかなりあったが、

どんなに早いボールでも取ってしまうという謎の能力があったのだ。


しかし、サッカーのキーパーはなるべく自分を避けて飛んでくるボールをこっちから取りに行かなくてはいけない。
時には人間とボールが共に突っ込んでくる所に、体ごと飛び込んで行かなくてはいけない。

根本的に全く違うのだ。

wiseは点を取られまくり、泣いた



その後、左サイドのディフェンスに就いた。
左サイドのディフェンスは相手チームの1番足の速い奴をマークする事が多かった。

太っていたから、一度ドリブルで抜かれてしまうと追いつけない。


だから、その頃のwiseは自分の方にボールが転がってきたら、とにかくダイレクトに思い切り蹴飛ばしクリアしまくっていた。

ボールを長くキープしていたくないのだ。


キープしてしまうと、その分ボールを取られてしまう可能性は上がる。自分のせいで失点する可能性も必然的に上がるからね。



ある日の遠くの小学校のチームとの試合の日だった。小学4年生の時だったと思う。


その日、wiseがマークしていたのは

足の速い坊主の少年だった


その日もボカスカと何も考えずクリアしていた。
しかし何発蹴っても、さまざまな方向に蹴ろうとしても、

何故か坊主に吸い込まれるようにボールが当たってしまうのだ。


太ってる奴が全力で蹴ったボールが、ね。


最初のうちは特に何も無かったのだが、だんだん坊主がイライラしてきているのが分かった。

坊主=お坊さん=穏やかで優しい


こう思っていたwiseが甘かった。
186発目にボールが当たった時に坊主はwiseに、こう言い放ったんだ。

『殺すぞ』


と。

生まれて初めて、人に殺意を露わにされた瞬間さ。

よりによってお坊さんにだ。

初めて自分に向けられた殺意


しかしwise少年はこう思った。

こいつにオレを殺す事などできない

なぜならオレはwiseだから


冷静だった。この頃から

すごくクールでヒップだよね?


It's time to say good−bye 

I love you,L'Arc〜en〜Ciel 

With love, 

From wise