wiseと喉のケア (#18 wise)


『wiseさんの喉のケアはどうしてるんですか?』


そんな一言だけが綴られた手紙が匿名で届いた。
リーダーtoshiyaの城にフクロウの足に括り付けられてね。


とても良い質問だ。
このwiseに聞いてくるなんて、

最高にクールでヒップなセンスさ。


ただ最初に言っておくべき事がある。
今から書く事柄はwiseがボーカリストとして経験してきた事を踏まえた哲学だって事。

万人に当てはまるわけではないって事。


それでは一言で言おう。

『喉のことなど気にするな』


さ。

拍子抜けしたhoneyが多いことだろう。ただこれがものすごく大切で難しい事なんだ。


ヤングwiseな頃の話。もちろんヤングwiseも喉の事をとても気にしていた。
ライブが近づくにつれ、

「あーん、ライブが近づいて来たーん。声ちゃんと出るかしらーん。出なかったら赤っ恥ー。」

てね。

マスクを装着し保湿。
ちょっと乾燥してると感じたら加湿器を使い潤す。
安価ではないハーブティや漢方を飲む。

そんな感じで四六時中、喉の事を考えていたんだ。
考えれば考えるほど、調子が悪い。カラオケだったらスパーンと出るはずのキーが出ない。

「なんだって言うのよ!こんなにも気を使ってるっていうのに!お金だって使っているのよ!」


イライラし、そんな事を調布市つつじヶ丘の駅前(かつてヤングwiseが棲息していた)で叫んだりもした。

それでもwiseの声は他のボーカリストからは調子が悪いようには見えないようで、可愛い後輩ちゃん達から

「wiseはん、どないしたら喉はわいの言う事を聞いてくれはるやろか?いくら気をつけても全くあかんのですわ。」

こんな事を聞いてくる。そこでふと気がついた。

喉の事を気にして質問してくる後輩ちゃん達ほど声が出てないのだ。


まったく気にせずアホみたいに歌ってるやつほど調子が悪いライブを見たことがない。毎日毎日アホみたいに歌ってるのにアホみたいに楽しそうに声が出ているのだ。

そう。

喉の事を気使い過ぎる精神的なストレスこそが、原因なのさ。


ストレスにより体中の筋肉が緊張し、もちろん声を出すために大切な筋肉も硬ばらせる。
気にし過ぎという事が一番の原因だったのさ。
だからカラオケだったら調子が良い。

すごく不思議だよね?


これこそが日本に古くから伝わる

【喉を気にして声も出ず】

って諺さ。先人達は知っていたんだ。凄いよね。

ただ
マスク・加湿器・漢方など、これらが悪いとはもちろん言わない。

ただ声の為ではなく風邪をひかない為

wiseとしてはそんな意識。
お金を貰って歌を教えるような立場だった時もあるけど、その頃はこんな無責任な事は言えなかった。

人々は確かな『正解』や『答え』が欲しいのだから。


ただ、いくつか確かな正解もある。
前述したように風邪をひかない事はもちろんだが、

日々の全身のストレッチ

これこそが最強。
人それぞれ持っている力を最大限引き出してくれるんだ。

喉も筋肉だからね。スポーツと一緒さ。


あと大切なのは声なんか出てなくたって良い。
Aメロを歌ってる最中に「サビの高音でるかなー」なんて考えていたら

伝わるものも伝わらないだろ?


それだったらアホみたいに楽しく歌って、

『高音出ませんでした!あっはははーはは!だけど最高だろ!?』


この方がよっぽど伝わる。

wiseはロックバンドしかやってないからさ。


最初に言ったようにこれは全部wiseの考え方。こんな考え方もあるんだな、って感じで流してくれても良いんだ。

喉のケアについての本やネットの情報、ボイストレーナーのアドバイス。
それらももちろん間違いではないけど、世界中探しても

honeyと同じ身体の人はいないのだからね。


今日は少し真面目なwiseの哲学の回だったね。

It's time to say good−bye

I love you,L'Arc〜en〜Ciel

With love,

From wise