洞察力 (#69 wise)
この看板
チャイズ(wise少年時代)の頃からあったんだけどさ。
本当に怖かった。
本当に河童という生物が存在していて子供達を川に引きずり込んでしまうと、思っていた。
そこには近づかないようにしていた。
看板の効果は抜群だったわけだ
人間は姿形が見えないモノや見た事がないモノを畏怖する生き物。
畏怖し、さらには『悪者』と決めつけるのさ。
例えば地球外生命体なんかは良い例
「宇宙人が来たぞー!」なんて言ったら、多くの人々の頭にすぐ浮かぶのは、
『ヤバイぞ。襲撃だ。地球が支配される。』
『みんなで地球を守るぞ。戦うんだ。』
これだ。
映画では、こういった類の作品がどの世代でも絶えずあるよね?
『E.T』のように、宇宙人が有効的に描かれる方が少ない。
話を地球上だけに狭めてみよう。
文明が栄える前の時代を考えてみよう
現代のように情報で溢れる前の世界。
大きな山や川を境界線にして、西と東それぞれに2つの部族が暮らしていたとする。
お互いが、反対側に違う部族が存在している事だけは知っている。
でも遭遇した事がない
この状況だとしたら、もう怖い。怖くて仕方がない。どんな姿をしているか、全くわからないからね。
相手が友好的だとは誰も思わない。
「やられる前にやってしまおう」
争いが起こる
さらに狭める。
荒川区のマンションに、世田谷区からある家族が引っ越してくるらしい。
これも怖い。主婦たちは結託し、
「世田谷区よ。犬飼ってるんじゃないかしら?」
「きっとスペアリブとか、食卓に並ぶのよ。」
「とりあえず、話さないようにしましょう」
いじめの始まりだよね?
学校や職場でも同じ。規模が大きくても小さくても同じような事が起きる。
人類は『言葉』という最大の発明をしてしまった事により、洞察力を得たんだ。
「こうなったら、そうなるだろう。更にそうしたら、ああなるはずだ。」
そんなふうに、先の先を見越して動けるようになった。だから人類はこんなにも栄えたし、便利な世の中になった。
でもその代償として、争いが絶えない世界になってしまったんだろうね。
オオカミ2匹が縄張り争いをする。最初のひと噛みで優劣がつく。
負けた方はすぐに引き下がり、背を向けて逃げていく。
それでこの争いは終わり
彼らの世界では、この後の物語は無い。
勝った方が「うーん。あいつ、俺が寝てる間に復讐しにくるかも知れない。よし、追いかけて行って巣を突き止め、トドメを刺してしまおう」
なんて話にはならない。
種の保存が本能にあるため、同種で殺しあう事は基本的に無いという。
人類は本能を無視する事が出来るようになってしまったんだね。
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