パスタ (#155 wise)
wise & tylarのメンバーであるtylarがアリゾナ州から来日している。
笹舟に乗ってね
何をしに来日したかというと、三軒茶屋でパスタを食べに来たんだ。
もちろんwiseも同行したよ。
彼はパスタをフォークに、すごく巻き付けて食べるんだ。
wiseはサンドウィッチを食べる手を休め、tylarが夢中でパスタを巻く様をしばらく見ていた。
tylarがパスタを巻くという壮大な景色をしばらく眺めた。
眺めているとパスタを巻いては解き、また巻いては解きを繰り返している。
口に運ばれるパスタは5巻きに1巻きというところだ。
見かねたwiseはサンドウィッチを完全に皿に置き、手に付いたパン粉を少し払った。
w「すごくパスタ巻くよね?」
tylarはパスタを巻きながら、黒目だけをwiseに向け、
t「巻きが大きすぎても小さすぎても良くないパン。ちょうどいい大きさになるのを待っているパン」
wiseはそれには応えず、サンドウィッチを食べた。食べたというよりも、ただ口に運んだ。
さっきよりも味が薄くなった気がした。
店を出た直後、tylarは何も言わず公衆電話に向かった。公衆電話がtylarが向かったようにも見えた。
tylarは受話器をあげると、目的の番号を何も見ずに押し始めた。記憶しているのだ。パスタを巻く時の眼と同じ眼をしていた。
そして、しばらく受話器を耳に押し当てた後、またボタンを押し始めた。
*2*2
11123244938989
##
5本の指でものすごいスピードで叩くように。パスタを巻く時と同じ手つきだった。
受話器を置き、tylarは言った。
ベルを打ったパン
wiseはすべてを察した。誰かのポケベルにメッセージを送信したんだ、と。
そして確かにメッセージは
“アイシテル❤︎❤︎”
だった。
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